Categories
ビジネス

組織におけるオフローダーとオンローダー

車やバイク好きにはおなじみのワード、「オフロード」と「オンロード」。

その名の通り、舗装されていない砂利や泥などの道無き道をオフロード、舗装され車やバイクが走るために整備された道をオンロードと呼びます。また、それぞれの道に最適化されて開発された車両をオフローダー、オンローダーと呼んでいます。

最近思うのは、人も同様にオフローダーとオンローダーの2種類の人がいるなということ。

オフローダーは、未開拓の分野に積極的にチャレンジし、他人が行ったことのないところに行くことに喜びを感じるタイプの人。起業家やアーティストに多い気がする。

一方、オンローダーは、ある程度ルールや環境が整備された状態で最大のパフォーマンスを発揮し、他人とのレースに勝つことに喜びを感じるタイプの人。世の中の多くの人はこのタイプで、企業で出世しやすいのもこのタイプ。

どちらが良いとか悪いとかではなく、組織の成長ステージによって最適なバランスがあると思う。

創業ステージでは、もちろん数名のオフローダーが集まって起業することが多いので、オフローダーの比率が圧倒的に高い。

しかしながら、成長ステージになると、オペレーション業務や俗に言う「1→10」のための業務が増えてくるため、オンローダーが必要になってくる。

オンローダーがパフォーマンスを出すためには、荒れ地をならす「舗装」、つまり人事や目標管理などの様々なルールや制度を整える必要が出てくる。

難しいのは、舗装し過ぎてしまうとオフローダーのパフォーマンスを落としてしまうことになりかねないところ。

継続的な成長を狙う企業にとって、新しい市場やビジネスを開拓するオフローダーの存在は必須。

日本の大企業が停滞する大きな原因として、ルールや制度をきれいに整え、舗装し過ぎたことによって、オフローダーが生息しづらい環境にしてしまったことがあると思う。上場に向けた「舗装」によって会社の勢いが一時的に衰えてしまったという話もよく聞く。

優秀なオンローダーほど、隅から隅まできれいに舗装しようとしてくれるのだが、必ずしもそれが企業の成長につながっていないケースも多いので、オンロードとオフロードのバランスを取るのは経営者の重要な仕事かもしれない。個人的な感覚では、少なくとも会社全体の20%はオフローダーであって欲しい。

それは日本全体でも同じことが言えて、オフロード(=カオス)の状況でパフォーマンスを出せるオフローダー人材が育つ環境を整えていかないと、このまま縮小していく一方だと思う。

オフローダーが原野を開拓し、オンローダーが適切なところを舗装してレースをする、といった役割分担をお互いに認識し尊重することが、組織や社会の継続的な発展には欠かせないと思うのでした。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *