ビジネスにおける視野の広さをレンズに置き換えて考えてみた

普段仕事をしていると、同じゴールに向かっているはずなんだけど全く話がかみ合わないなと思うことがしばしばある。見ている方角は同じなんだけど、おそらく見えている景色が異なっているのだろう。 それは、人によって視野の広さや焦点の深さがバラバラなことに起因していると思われる。 写真好きな方ならおわかりいただけると思うが、カメラを同じ方向に向けていても、取り付けるレンズの種類、絞りやシャッター速度によって撮れる写真は全く異なる。 同じようなことが日常生活やビジネスにおいても起きているのではないだろうか? Embed from Getty Images カメラのレンズはおおよそ下記の4つに分けられる。 標準レンズ 広角レンズ 望遠レンズ マクロレンズ 参考: 個人的に愛用しているSIGMAレンズ これらをビジネスにおける視点に置き換えると、ざっくりこんな感じだろうか。 標準レンズ 原寸大の人間として自分や相手の心を見つめる視点 広角レンズ ステイクホルダーを幅広く見渡し、全体最適化を目指す視点 望遠レンズ 未来を見通してチャンスやリスクを先読みする視点 マクロレンズ 物事を緻密に分析し、細部に宿る神を呼び起こす視点 いずれかのレンズに優劣があるわけではなく、見るべき対象によってレンズを換えてあげる必要がある。 ビジネスの現場においては、役割や職種によって主に使うレンズが異なってくる。 例えば、エンジニアや研究者であればマクロレンズを使うことが多く、マーケティングや広報に関わる人であれば広角レンズを使うことが多い。経営者やデザイナーは全てのレンズをバランスよく使う必要がある。 そしてどの役割であっても標準レンズが基本で、全員が持っている必要がある。 見ている方角は同じだけど見えている景色が異なっている問題は、レンズが異なれば当然生じてしまう。人によって持っているレンズの種類も異なるし、シーンによってレンズを付け替えるのも経験とテクニックを要する。 Embed from Getty Images では、そのような前提でどうすれば話がかみ合うようになるか? 理想的には、全員が同じ種類のレンズを全て揃えることだが、それは現実的ではないので以下の2つの方法を考えてみた。 現像した写真をもとに話をする 各個人の見えている景色は異なるという前提で、それぞれ見えている風景を現像・プリントして他人にも見えるようにする。実際には、感じていること考えていることを、文章や絵、あるいは映像にすることで全員が同じ絵を見て話すことができるようになるはず。 標準レンズで見える風景をもとに話をする あえて使うレンズの種類を限定し、全員が持っている標準レンズを使うことでおおよそ同じ風景が見えるようになるはず。役割や職種の違いを一旦忘れて、1人の人間としてどう考えるかを話し合えば大きくすれ違うことはかなり減らせるのではないだろうか。 大前提として、自分のレンズでは見えていない世界が常に存在していることを謙虚に認めることも忘れずに。   まずはこれらの方法で話がかみ合う環境をつくりつつ、各個人の成長のためには使えるレンズの種類を増やすことも考えなくてはならない。 自分の経験では、視野の広さは周りにいる人たちのレンズによって大きく影響される。視野の広い人のそばにいれば徐々に視野が広がり、その逆もまた然り。新しいレンズを手に入れるためには、そのレンズを持っている人に近づくのがいいと思う。 その際に気を付けなくてはならないのは、目と同じでずっと近くを見ていると近視になってしまう。周りを見渡したり、遠くを見たり、常に視点を動かし続けよう。 さらに、組織全体で視野を拡げていくためには、相手に欠けている視点がある場合には面倒くさがらずに指摘し、それを素直に受け入れられるオープンでフラットな関係性をつくることが基本ではないだろうか。 自分自身も自分のレンズに頼り過ぎることなく、メンバーの視点も複眼的に活用していくよう自戒を込めて。   p.s. 明るい標準ズームレンズが欲しいです!

イノベーター・ジャパン 2017

この記事はイノベーター・ジャパンAdvent Calendar 2017の12/25(最終日)の記事です。   皆さん、年の瀬いかがお過ごしでしょうか。 毎週更新を目標としていたこのブログも、気が付けば半年も更新が止まっており、社員から「自転車ネタばっかりじゃないですか!」と突っ込まれる始末。 クライアントや大学院の院生さんに対して「オウンドメディアとは」なんということを偉そうに述べておりますが、紺屋の白袴もいいところです。 さて、せっかくの機会なのでイノベーター・ジャパンにとっての2017年をざっと振り返りつつ、来年の展望について書いてみたいと思います。 2017年の振り返り 年が明けたと思ったらもう年末になっている、と感じるほど時が過ぎるのが早い年でした。しかし、その中でもイノベーター・ジャパンにとって重要な変化がいくつも起きており、文字通りターニングポイントとなる年だったと思います。 産みの苦しみ イノベーター・ジャパンでは、Open Media Suite(仮称)と題して、コミュニティ化する企業活動を支えるためのプラットフォームとなるソフトウェアを開発しています。 本来は今年の春頃にはリリースする予定だったのですが、開発が大幅に遅れており、現在も当社の精鋭メンバーとパートナーさん達が鋭意開発中です。(お待たせしているクライアントさんには本当に申し訳ないです。) これまでもtenpuやwarikanなどいくつかサービスをリリースしてきたのですが、規模も難易度も何倍も高く、全社のエネルギーを注いでもまだ産み切れてない状況です。 つくるべきものが決まっているクライアントワークと異なり、要件から自分達で決めていかないといけない自社プロダクト開発は、まさにレールの無いところを走るようなもの。消費するエネルギーは非常に大きいですが、その分走りきった時に得られるものも果てしなく大きいはず。 イノベーター・ジャパンの4つのバリューを体現する代表的なプロジェクトになって欲しいと思ってます。 メンバーとの別れ 今年、イノベーター・ジャパンにとって最も大きい変化はなんと言ってもメンバーの退職が連続したことでしょう。 創業期からイノベーター・ジャパンを支えてきたメンバーや部門のリーダーなど、比較的重要なポジションに就いていたメンバーが立て続けに社を去りました。 メンバーとの別れは、何度経験しても大変辛いものです。しかし一方で、組織が成長する過程の変化として避けられないものだとも考えています。 組織と人はそれぞれポテンシャルを開花させつつ成長し続けるものであり、両者の成長タイミングが合えば最高なのですが、そうでない場合は無理をせずに環境を変えた方がお互いにハッピーなのかもしれません。 幸いにもイノベーター・ジャパンは退職したメンバーとも良好な関係を保つことができており、過去にいたメンバー達が力を貸してくれたことで今回のピンチも乗り切ることができました。 また同時に、残ったメンバーが大きく成長することができたのではないかと思います。あるメンバーは危機を乗り切るためにマネジメント能力が急速に発達したり、あるメンバーは業務の効率化を図り生産性をこれまでより2倍近く上げたり。 奇しくもイノベーター・ジャパンにGROOVEを生むことができ、間違いなくイノベーター・ジャパンの歴史のワンシーンになると思います。 新メンバー加入 メンバーとの別れの一方で、多くのメンバーが新しくイノベーター・ジャパンに加わりました。 みんな本当に実力のあるメンバーばかりで、入社早々重要な業務を遂行し、同時に組織全体を進化させてくれています。 一昔前のイノベーター・ジャパンでは募集をかけてもそのような人材は採用できていなかったと思います。そういう意味では、当社も着実に成長・進化してきているのだなと感慨深いです。 また、今年はついに日本語がわからない外国人を複数名採用しました。これまでも外国籍のメンバーはいたのですが、皆さん日本語が流暢で、日本人よりも日本人らしい面もあり、外国人が在籍しているという意識はほとんどありませんでした。 当社のポリシーとして、ドメスティックオンリーのサービスはつくらないと決めています。インターネットの最大のメリットはボーダーレスであることであり、それを生かさないドメスティックサービスは遅かれ早かれ駆逐されるという法則があるからです。 グローバルなサービスをつくるためには、当然のことながら日本人だけのチームでは絶対無理で、グローバルチームが必要不可欠だと考えています。今年イノベーター・ジャパンは理想のチームに向けて大きな一歩を踏み出しました。 まだ社内は一部ソワソワした感じもありますが、確実にプラスの変化が起き始めていると実感しています。 英語能力が低い人間が、日本語をほとんど話せない外国人のメンターになった話 – ウェブとすっぽん 新たなチャレンジ 今年は、メンバーの成長や新メンバーの加入により、昨年よりも多くのことにチャレンジできるようになりました。 一部業務を郊外に移管することで職住近接のオフィスを実現し、子育て中のママたちのポテンシャルを引き出す、というテーマでしばらく構想していた&donutsプロジェクトも今年ついに柏の葉でスタートしました。 &donutsプロジェクト | GROOVE 今や8人のママたちがイノベーター・ジャパンの重要な戦力として働いてくれており、さらに多くの方々からご応募いただいています。 また、長年積み重ねて複雑化していたシステムや、クライアントとの関係にも思い切ってメスを入れ、一時的にダメージを負ってでもより良い将来のために前進する、ということを積極的に行うことができました。 どんなチャレンジもリスクがあるからこそチャレンジなのであり、リスクを負う覚悟と体力があるからこそチャレンジすることができます。 イノベーター・ジャパンは旧来の「会社」ではなく、チャレンジし続けるためのプラットフォームである、という理想に徐々に近づいてきています。 2018年に向けて 年が明けても、新年度になっても、ミッションとバリューは何ら変わることはありません。 イノベーター・ジャパンのミッション 人や組織のポテンシャルを最大限に引き出すことで、豊かな社会を実現します。 イノベーター・ジャパンのバリュー LOVE・CHAOS・GROOVE・ENJOY イノベーター・ジャパンで大切にしていること | […]

デジタル思考が成長を阻害する

デジタル/アナログという言葉を「情報機器を使いこなせるか否か」といった意味で使われることが多いが、本来はビットのON/OFFで表現される白黒二値の世界をデジタル、白と黒の間を連続的に変化する世界をアナログと呼ぶので、ここではその定義で話をする。 自分の周りにいる色々な人を観察していると、とても優秀なのだがある時から急に成長が止まってしまう人が一定数いるような気がする。 皮肉なことに几帳面で真面目な人ほどその傾向が強い。 そこで以下のような仮説を立ててみた。 人は成長過程でいくつかの成功体験を積み重ね、その体験をもとに安心して活動できる領域をつくり上げる。しかし、さらなる成長のためにはその領域の外に新しい領域を見つけ、整備していかなくてはならない。 几帳面で真面目な人は、領域の境界線を明確にし、領域内をとても居心地が良いレベルに整備する。そのため、新しい領域を見つけることが、荒波の中を航海して新しい島を見つけることのように難しく感じてしまい、なかなか踏み出すことができない。 実際こんなケースがあった。 現在の課題を根本的に解決するためには、Aという状況をつくらなければいけないが、それには新たに人を採用し、フローを変えないといけない。それが実現するまでの間はしばらく過渡期的に「完全ではない状態」になる。であれば、根本的な解決にはならないが暫定的な処置をしつつ慣れた状態を続ける方が好ましいという判断をした。 まさに領域の拡大、つまり組織の成長が止まった瞬間だ。 一方、成長をし続けている人や組織はどうかというと、領域に明確な境界線を持たず、領域内も過剰な整備をしない。そのため、新しい領域を見つける際も航海に出ることなく連続的に領域が拡大していくイメージだ。 領域を明確にして白黒をはっきりさせるのをデジタル思考だとすると、領域を明確にせず連続的に領域の拡大ができるがアナログ思考となる。 デジタル思考・アナログ思考はどちらが良くてどちらが悪いということではなく、時と場合によって使い分ける必要がある。几帳面で真面目な人ほどデジタル思考に偏りがちなので、意識してアナログ思考してみると良いのではないだろうか。 イノベーター・ジャパンでは4つのVALUEを掲げているが、その1つに「CHAOS」というキーワードがある。物事のはじまりは必ずカオス状態から始まるので、カオスを恐れずに飛び込んで行こうというのが本来のメッセージだが、自分の領域を広げる際に発生する不完全な状態もカオスと呼べるかもしれない。 デジタル思考だとカオスは異常な状態となるが、アナログ思考だとカオスは当たり前にあるべき状態となる。 新しいことにチャレンジする時、アナログ思考は最も重要なマインドのひとつになるのではないだろうか。   イノベーター・ジャパンでは各職種ともカオスに飛び込むのがお好きなメンバーを募集してますので、ご興味ある方はお気軽にご連絡ください! イノベーター・ジャパン 採用情報