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新ゴーマニズム宣言 台湾論

台湾の歴史的背景を勉強しようと読んでみました。

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新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 台湾論
小林 よしのり
小学館 2000-10
評価

日本人の多く、というか自分も今まで台湾と中国との関係を明確に知らなかったのではないでしょうか。台湾は独立国としての機能を持ちながらも、国際社会からなかなか認めてもらえず、中国からは独立を牽制されミサイルを向けられているところ。しかしながらIT産業の発展は世界有数で、我々が使っているパソコンはMade in Taiwanなしじゃできないらしい。

世界で最も親日的な国と言われ、哈日族(ハーリーズ)と呼ばれる日本のサブカルチャーファンが社会現象にもなっている。その背景には、今までオランダ、清、日本と植民地として辿ってきた台湾の歴史があるらしい。

日本は、その他の国の植民地政策と異なり、搾取というより投資としての側面が強かったようだ。日本人特有(?)の親切精神があり、親身に生活水準の向上に努めたらしい。1945年に第二次世界大戦の敗北により日本は台湾から撤退するが、その後入ってきた中国政権の圧政とのコントラストもあるのか、当時の台湾人は日本統治時代を懐古する傾向が強いようだ。

小林よしのり氏曰く、日本人は敗戦によってそれ以前の価値観を全て否定し、アメリカからもたらされた物質・拝金主義に走り過ぎている。本来持っていた日本人の精神的豊かさは失われてしまったが、それはむしろ台湾に受け継がれている。日本人が台湾に行ってなんとなく懐かしさを感じるのはこのためだという。

台湾で学んでくることは多そうです。

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ハンバーガーを待つ3分間の値段

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ハンバーガーを待つ3分間の値段―ゲームクリエーターの発想術
斎藤 由多加
幻冬舎 2006-01
評価

最近仕事がらゲームクリエーターの思考回路がどんな風になっているか気になってしまう。

小説家や漫画家と同じように、あんなボリュームの世界を頭の中で描く能力は本当にすごいと思う。

そんなわけで気になった一冊。

著者の斎藤由多加氏はもともとリクルートの社員だったが、独立して『シーマン』や『ザ・タワー』などのゲームを開発した天才クリエーター。やっぱりリクルートのOBってすごい人多いな…

この本では具体的な「ゲームの作り方」については語られていないが、普段どんな思考で物事を捉えているかを綴ったエッセイになっている。

我々が日常生活の中で常識として捉えていることは必ずしも真実ではなく、少し視点をずらすことで本質が見えてくるといったことが具体例を挙げて書かれているためサラッと読めてしまう。

筆者が身の回りにあることにツッコミを入れ、「そう言われればそうだな…」と納得してしまう感覚が新鮮だった。

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心のブレーキ

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「心のブレーキ」の外し方~仕事とプライベートに効く7つの心理セラピー~
石井 裕之
フォレスト出版 2006-11-21
評価

最近なんやかんやとexhaustedでなかなかinputができていない気がする。というかinputができていないからexhaustedなのか…?

そんな状況だと帰りの電車での読書が唯一inputの場で、やけに気持ちよく感じる。というわけで最近読んだ本の紹介。

最近本屋で平積みされていたり、新聞の広告に掲載されている『心のブレーキの外し方』。なんか胡散臭い自己啓発本に見えて敬遠してたけど、そのタイトルがやけに気になって読んでしまった。

現状を変えようと行動してもなかなか長続きさせることは難しい。それは原理として人間の行動は潜在意識が支配していて、そこには現状維持しようとする力が働いているということらしい。

始めから大きな効果を期待するが、そうはならないために諦めてしまう。車と同じで始めはローギアで遅いけれど、そこを我慢しないと走ることはないと。

なるほどね… やけに納得させられてしまった。現状維持って一番ラクチンで、そこに落ち着こうとするというのは筋が通ってる気がする。

通勤の片道で読めるくらいスッキリまとまっているので、心のどこかにモヤモヤ感がある人にはいいんではないでしょうか。