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アイデア ビジネス

Work Near Homeのすすめ

4月7日に発令された緊急事態宣言が徐々に解除されつつありますが、東京ではもうしばらく続きそうですね。

当社イノベーター・ジャパンは1月後半から段階的に在宅勤務(Work Form Home、WFH)に移行し、緊急事態宣言の翌日には全拠点のオフィスを閉鎖し、全社員完全に在宅勤務としました。かれこれ4ヶ月間在宅勤務を基本とする働き方をしています。

結果どうだったかというと、今のところ大きな問題なく従来と同等かそれ以上の成果を上げています。各メンバーが生産的かつ快適に勤務するための環境を整え、これまで以上にコミュニケーションを密に取ることによって、各プロジェクトが従来より自律的に動くようになったように感じています。

私の自宅ワークスペース

一方、いくつかの課題も明らかになってきました。その多くは育児に関するもので、保育園や小学校が休校になることで育児と業務を同じ空間で同時にこなさないといけないという状況が一部のメンバーに発生しました。在宅勤務を開始した当初は勢いで乗り切れても、それが長引くとボディブローのように効いて、生産性の低下やメンタル不調に繋がることがあるようです。

これらのメリット・デメリットをもとに今後の理想的な働き方を考えることができそうですが、よりダイナミックな変化が起こる気がしています。

これまで、仕事は同じ場所に集まってするものだという前提があり、従業員を束ねるために会社が存在し、同一エリアに集中した会社がオフィス街を構成した結果、あの通勤ラッシュが常態化しました。

しかし、COVID-19をきっかけに多くの人がリモートワークを経験したところ、その前提が間違っていたことに気付いてしまいました。これまでオフィスで行っていた業務の一部はオンラインコミュニケーションで十分行うことが可能で、むしろ余計なコミュニケーションを省くことで生産性が高まり、満員電車に乗る必要が無くなることでQOLの向上を実感しました。つまり、人と仕事を都心部に縛り付けていた紐が解けてしまったのです。

するとどんなことが起きるかというと、オンラインコミュニケーションで業務が成立する範囲内で、人々はより快適な方向に流れ、仕事はよりコストの低い方向に流れていきます。

私の個人的な感覚では、現在都心部に集まっている仕事の60%は引き続き都心部に残り、少なくとも30%は都心近郊に、10%は地方に分散することが可能ではないかと考えています。都心まで通勤している人の40%が通勤から解放され、それによって都心まで通勤することのストレスも大幅に軽減されるはずです。

通勤から解放されて郊外で働く人が増えると、本業以外にも自己実現に繋がる活動が増えるかもしれません。同じ目的を持つ人同士が繋がり、プロジェクトが立ち上がり、複業が一般的になります。人々が活性化し、地域にも活気が生まれます。

イノベーター・ジャパンでは、2016年から郊外での職住近接(Work Near Home、WNH)の働き方を&donutsプロジェクトで実践してきました。なぜ在宅勤務ではなく職住近接にしたかというと、上記で述べたような職住一体によるデメリットを想定していたのと、全てのコミュニケーションがオンラインで完結するとは考えていなかったからです。

現在はメンバーの多くが子育て中の女性ですが、職住近接によって明らかにQOLの向上を実現しており、今回のCOVID-19による通勤の制限にもフレキシブルに対応することができました。今後の構想として、老若男女問わずより多くの人が職住近接を実現することをイメージしていましたが、今まさに社会全体がその方向に動き始めたように思います。

COVID-19による様々な規制は徐々に緩和されるものと思いますが、無闇に元の状態に戻すのではなく、せっかく今回のチャレンジで犠牲を払って得た経験を生かし、よりよい働き方、しいては生き方を実現していきましょう。

職住近接「Work Near Home」おすすめです。

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