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独り言

到達標高 vs 獲得標高

ロードバイクに乗る人にはお馴染みの「獲得標高

ヒルクライムに限らず道を走っていると上り下りを繰り返しますが、登った標高差を積算したものを獲得標高と呼んでます。つまり、低い山でも上り下りを繰り返すルートであれば、多くの獲得標高を得られるわけです。

一般的に登山では「標高○○mの山に登頂」という風に、どれだけ高い地点に到達したか、言うなれば「到達標高」が注目されますが、ロードバイクではどれだけの量を登ったか、つまり獲得標高が重要で、あまり到達標高が話題になることはありません。

最近、以下のようなツイートをしたところいくつか反響をいただきました。

特に人生を山登りに擬えたわけではないのですが、そのように理解される方が多かったように思います。

そこでふと考えたのですが、人間の一生においても獲得標高到達標高、2つの評価指標があるような気がします。

獲得標高は、経験や挑戦の積み重ねの総量。主観的な指標でしか量れないので、他人からは見えづらい。

一方、到達標高は社会的な地位や名声。客観的な指標により定義され、他人から見えやすい。

前述のツイートにある「みんな同じ山に登りがち問題」は、獲得標高よりも到達標高を重視しているのも原因のひとつではないかと。

到達標高を目指すのであれば、得体の知れない山に登るよりも、既に誰かが登って標高が高いことがわかっていて、できれば登山道が整備されている方が確実ですよね?

一方で、未知の山であっても登り続ければ確実に獲得標高を稼げるし、登頂して物足りなければ一度下山して別の山に登るのもあり。

結局は個人の価値観次第ですが、より多くの人が獲得標高という指標があることを知ると人生もっと楽に楽しくなるのではないかなと思った次第です。(登っている時は毎回しんどいんですけどね…)

さらには、下山することは即ちアンラーニング(Unlearning)であり、イノベーションを実現するために不可欠な要素だったりします。ヒルクライムを頑張った後のダウンヒルは爽快ですよね!

というわけで、早くロードバイクでヒルクライムしに行きたいですね!

乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム 2019
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レビュー

買ってよかった在宅勤務ガジェット BEST 3

緊急事態宣言宣伝が明けて早2週間。みなさんいかがお働きですか?

当社イノベーター・ジャパンは、6月を最も生産性の高い働き方を見つける期間として、特に勤務場所に縛りを設けず、各メンバーがオフィス勤務・在宅勤務・Work Near Homeを織り交ぜながら最適なバランスを探っています。

今のところ私はオフィス80%:リモート20%がリズムに合っている気がしています。ちなみに当社の東京オフィスは2014年に移転してから生産性を高めるための工夫をし続けてきました。

緊急事態下の在宅勤務も「作業」効率は悪くなかったのですが、立ち上げ段階のプロジェクトの進行などチームでのクリエイティブワークのスピードが上がらないことにもどかしさも感じていました。

今回在宅勤務をされたみなさんも、生産性や快適性を上げるために色々工夫されたことと思いますが、私が「これは買ってよかった!」と思うガジェット BEST 3を紹介したいと思います。

第3位 スイッチャー

Blackmagic Design ATEM Mini
※品薄により価格が高騰中?

リモートワークと言えばビデオ会議。ビデオ会議がこれほど手軽でなければリモートワークの難易度は何倍も高かったと思います。

実際に毎日矢継ぎ早にビデオ会議を行っていましたが、画質の重要性を感じていました。画質といっても画素数とかではなく、画(え)の品質についてです。人によっては肝心のお顔が見切れていたり、逆光で全く表情がわからなかったり。

気心の知れた同僚同士であれば画質はそれほど重要ではないかもしれませんが、大切な商談ではその印象で勝敗が分かれるかもしれません。

一般的にはPC内蔵のカメラやUSB接続のWebカメラを使うと思いますが、ほとんど設定要らずで手軽な反面、自動補正が裏目に出てイマイチな画質になることが多いと感じました。

そこで元々所有していた一眼レフカメラをWebカメラ代わりに使ってみたところ、これまでのものとは雲泥の差の画質。フォーカスや絞りをマニュアル設定にすることで、ベストな画質をキープすることができます。

しかし一部のカメラを除いてそのままPCに接続することはできません。そこで必要になるのがスイッチャー。正確にはビデオキャプチャーがあれば十分なんですが、今回買ったBlackmagic DesignのATEM Miniは一般的なビデオキャプチャーほぼ同等の価格で最大4チャンネルの映像ソースをヌルッと切り替えられるスイッチ機能を搭載しているので断然オススメです。

第2位 PCモニター

LG 27UK850-W

在宅勤務を始めてしばらく悩まされていたのが肩と首のコリ。在宅勤務に限ったことではないのですが、ノートPCでずっと仕事をしていると、常に俯く姿勢になり重い頭を筋肉で支え続けることになります。

これを改善してくれるのが外付けのPCモニターを使ったデュアルディスプレイ環境。ノートPCのディスプレイの上辺に繋がる高さに設置すると、画面間の移動もスムースで、首肩の負担も減りかなり快適です。

東京都のテレワーク助成金が支給されるのを待ってしまったのですが、もっと早く買っておけば良かったと少し後悔しています。

第1位 ヘッドフォン

BOSE NOISE CANCELLING HEADPHONES 700

何と言っても在宅勤務で大活躍してくれたのが、BOSEのノイズキャンセリングヘッドフォン NC700。マイクが内蔵されているため、ヘッドセットとして使うことができます。

ヘッドセット自体は安いものから色々あるのですが、まず有線接続タイプはコードが鬱陶しくて仕事しながらの会話には向かない。Bluetooth接続のイヤフォンタイプもたくさんありますが、どれもバッテリーが数時間しか持たないため、終日使う道具としては満たされない。

そこでBluetooth接続のヘッドフォンタイプに行き着くわけですが、バッテリーはフル充電で18時間持つので2〜3日は充電なしで使えます。また、安価なヘッドフォンは長時間着けていると耳や頭頂部が痛くなるものが多いのですが、BOSE NC700は身体に触れる部分は全て柔らかいので、どこも痛くならず快適。

さらに、ノイズキャンセリング機能がかなり強力なので、家庭内の生活ノイズも全く気にならず、内属マイクも周囲のノイズをカットしてくれるので、ビデオ会議の相手にも迷惑をかけることがありません。

ヘッドフォンとしてはやや高価な部類ですが、在宅勤務の生産性や快適性を上げるという意味でこれ以上にコスパの高い投資はないと思いました。

もし、みなさんのおすすめガジェットがあればコメント欄で教えてください!

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アイデア ビジネス

Work Near Homeのすすめ

4月7日に発令された緊急事態宣言が徐々に解除されつつありますが、東京ではもうしばらく続きそうですね。

当社イノベーター・ジャパンは1月後半から段階的に在宅勤務(Work Form Home、WFH)に移行し、緊急事態宣言の翌日には全拠点のオフィスを閉鎖し、全社員完全に在宅勤務としました。かれこれ4ヶ月間在宅勤務を基本とする働き方をしています。

結果どうだったかというと、今のところ大きな問題なく従来と同等かそれ以上の成果を上げています。各メンバーが生産的かつ快適に勤務するための環境を整え、これまで以上にコミュニケーションを密に取ることによって、各プロジェクトが従来より自律的に動くようになったように感じています。

私の自宅ワークスペース

一方、いくつかの課題も明らかになってきました。その多くは育児に関するもので、保育園や小学校が休校になることで育児と業務を同じ空間で同時にこなさないといけないという状況が一部のメンバーに発生しました。在宅勤務を開始した当初は勢いで乗り切れても、それが長引くとボディブローのように効いて、生産性の低下やメンタル不調に繋がることがあるようです。

これらのメリット・デメリットをもとに今後の理想的な働き方を考えることができそうですが、よりダイナミックな変化が起こる気がしています。

これまで、仕事は同じ場所に集まってするものだという前提があり、従業員を束ねるために会社が存在し、同一エリアに集中した会社がオフィス街を構成した結果、あの通勤ラッシュが常態化しました。

しかし、COVID-19をきっかけに多くの人がリモートワークを経験したところ、その前提が間違っていたことに気付いてしまいました。これまでオフィスで行っていた業務の一部はオンラインコミュニケーションで十分行うことが可能で、むしろ余計なコミュニケーションを省くことで生産性が高まり、満員電車に乗る必要が無くなることでQOLの向上を実感しました。つまり、人と仕事を都心部に縛り付けていた紐が解けてしまったのです。

するとどんなことが起きるかというと、オンラインコミュニケーションで業務が成立する範囲内で、人々はより快適な方向に流れ、仕事はよりコストの低い方向に流れていきます。

私の個人的な感覚では、現在都心部に集まっている仕事の60%は引き続き都心部に残り、少なくとも30%は都心近郊に、10%は地方に分散することが可能ではないかと考えています。都心まで通勤している人の40%が通勤から解放され、それによって都心まで通勤することのストレスも大幅に軽減されるはずです。

通勤から解放されて郊外で働く人が増えると、本業以外にも自己実現に繋がる活動が増えるかもしれません。同じ目的を持つ人同士が繋がり、プロジェクトが立ち上がり、複業が一般的になります。人々が活性化し、地域にも活気が生まれます。

イノベーター・ジャパンでは、2016年から郊外での職住近接(Work Near Home、WNH)の働き方を&donutsプロジェクトで実践してきました。なぜ在宅勤務ではなく職住近接にしたかというと、上記で述べたような職住一体によるデメリットを想定していたのと、全てのコミュニケーションがオンラインで完結するとは考えていなかったからです。

現在はメンバーの多くが子育て中の女性ですが、職住近接によって明らかにQOLの向上を実現しており、今回のCOVID-19による通勤の制限にもフレキシブルに対応することができました。今後の構想として、老若男女問わずより多くの人が職住近接を実現することをイメージしていましたが、今まさに社会全体がその方向に動き始めたように思います。

COVID-19による様々な規制は徐々に緩和されるものと思いますが、無闇に元の状態に戻すのではなく、せっかく今回のチャレンジで犠牲を払って得た経験を生かし、よりよい働き方、しいては生き方を実現していきましょう。

職住近接「Work Near Home」おすすめです。