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Google Buzzについての考察

GoogleからGoogle Buzzなる新機能がリリースされましたね。


GmailのインターフェイスからTwitterのようなショートメッセージを投稿できるようですが、世間では色々と否定的な意見が多いようです。


しかし、Googleが単純にTwitterの後追いとかそんな短絡的な戦略で来るとも思えず、ちょっと自分なりに考えてみました。


個人的には、Google BuzzはAndroidをターゲットにしてリリースしたと考えます。「もうTwitterには対抗できない」とか「Gmailにそんな機能つけてどうするんだ」といった意見は、ちょっとPC寄りに考え過ぎなのかなと思います。


日本以外ではキャリアが発行する携帯メールアドレスというのは普及していなくて、SMSで短文のやりとりをするのが普通です。スマートフォンが登場すると、写真などのリッチコンテンツを送受信する機会が増えるため、必然的にPCと同じようなメールの仕組みが必要になります。さらにSIMロックフリーなエリアでは、キャリアに依存しないメールアドレスが必要です。


そんな環境では、OS(Android)との親和性が高いGmailがコミュニケーションツールのデファクトスタンダートとなりそうです。おそらくGoogleはGmailを従来のPCメールの代替ではなく、モバイルでの利用も含めた総合コミュニケーションプラットフォームと考えているのではないかと。


そう考えると、Gmailはまだ従来のPCメールと同様に1:1(もしくは1:n)のコミュニケーションツールで、n:nのソーシャルなコミュニケーションを実現するためにGoogle Buzzをリリースしたという見方ができると思います。


もしそんなシナリオになった場合、AndroidがモバイルOSのシェアを取る→Gmailおよびそれに付随するGoogle Buzzがコミュニケーションツールのデファクトスタンダードになる→TwitterやFacebookなどのソーシャル先行者をひっくり返す ということもあり得るのかなと思いました。


以上、勝手な推測でした。

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台湾モバイルサービス事情

最近もっぱらTwitterでブログから遠ざかってたが、頭の中を整理するために久々に重い腰を上げてみた。

今回の台湾出張ではモバイルビジネスのきっかけを掴みに来たわけだが、モバイルキャリア数社と接触して色々と情報収集ができた。かなりのお役所気質なので接触すること自体困難なのだが、とあるツテを辿ってなんとかアポが取れた。

低いレイヤーの方から整理すると、

  • ハードウェア
  • 現在2Gから3Gへの過渡期で、まだまだ2G端末のシェアが高い。同時にスマートフォンのシェアが急激に伸びており、既に20%がスマートフォンになっている。しかも若い世代ほどスマートフォン使用率が高いらしい。さすがHTCのお膝元の台湾だけにみんなITリテラシーが高いのだろうか。iPhoneの人気も高く品薄の状態が続いているようだ。ちなみにスマートフォンではない従来の端末は「フィーチャーフォン」と呼ばれている。 

    2年契約で端末料金が安くなる制度が一般的で、ほとんどのユーザーがこの方式で2年毎に機種変更している。ちょっと前の日本と同じ感じ。興味深いのは、機種変更のタイミングで3Gのフィーチャーフォンではなくスマートフォンにするユーザーが多いらしい。日本のガラケーモバイルメディアのような進化はしないのかもしれない。
     

  • ネットワーク
  • 一応パケ代定額プランもあるらしいが、まだまだ一般的にはなっていない模様。日本と違って地下鉄でもどこでも電波が入るのだが、ウェブブラウジングしている姿はあんまり見かけない。むしろ丁重に携帯電話をケースに入れてさらにバッグの中にしまっている人が多い気がする。鳥と卵論になってしまうが、モバイルメディア市場が膨らむためにはある程度安価なパケ放題が必須条件だと思うので今後に期待。

     

  • サービス
  • 既にモバイルゲーム市場が存在しているが、ほとんどがJavaアプリ。モバゲーのようにブラウザベースのものではなく、一回ダウンロードすればオフラインで遊べるもの。大半はダウンロード時に課金されるものだが、アプリの中で通信をしてアイテム課金するタイプのものもあった。Flashアプリも存在しているが極わずか。世界的にはこの方が一般的なのかもしれない。 

    Facebookでもおなじみの開心農場は早くもJavaアプリとしても人気のようだ。そもそもコミュニティーサービスがモバイルに進出していないのもあるが、モバイルにはソーシャルゲームという概念はまだ浸透していない。

というわけで、日本のモバイルコンテンツをそのまんま移植するというわけにはいかなそうだが、パケ死を恐れながらのデモは好評だったし、感覚的には何とか入り込めそうな気がするので頭をこねくり回してみるか。

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レビュー

旅行中に読んだ本

今回1週間の旅行で、溜まっていた本を読破してきました。

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成功は一日で捨て去れ
新潮社 2009-10-15
評価

ユニクロの社長である柳井氏の悪戦苦闘について、経営的視点から値引き戦略など現場に近いところまでかなり実務的なことが語られています。個人的に興味深かったのはユニクロの海外展開についてのストーリー。自分の仕事に即生かせるような内容が満載。海外事業部メンバーにとっては必読書かも。

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1Q84 BOOK 1
新潮社 2009-05-29
評価

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1Q84 BOOK 2
新潮社 2009-05-29
評価

普段ビジネス書や実用書の比率が高いので、小説は久々に読んだかも。独特の薄暗い世界観にのめり込んでかなり熱中して読んでしまった。最後が尻切れなような気もするけど、架空の世界をよくこんなリアルに描けるなと感心してしまう。改めて小説家ってすげーなー 空気さなぎ…

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男道
幻冬舎 2009-01
評価

清原和博自叙伝。巨人の球団に対する怒りで筆を取った一冊。桑田との確執や後半の怪我との戦いなどかなり生々しい内容が書かれている。かなりの自信家みたいだが、逆にそれほど自信を持てる程頑張らなくてはいけないということか。不器用ながらも信念に生きる男清原に何か大事なものを気づかされた。